JR東海が、リニア中央新幹線の品川―名古屋間について、当初予定の2027年開業は難しくなったと表明した。
開発と環境保護を両立させるため、静岡県と国を交えて科学的見地からの検証を急いでもらいたい。
JR東海の金子慎社長と、着工に難色を示す静岡県の川勝平太知事が6月下旬、初のトップ会談を行った。金子社長は、27年の開業には6月中の工事開始が必要だとして準備工事を認めるよう求めたが、溝は埋まらなかった。
県は、トンネル工事に伴い62万人の生活用水となる大井川の水量が減ると心配している。JR東海は、トンネルに流れ出る湧水を川に戻す対策を取ると説明しているが、合意を得られていない。
両者は、冷静な話し合いを続けていくべきだ。
リニアは、開通すれば品川―名古屋間(286キロ・メートル)を40分で結ぶ。経済活性化への期待は大きい。東海道新幹線のバイパスとして、大災害時の備えともなる。
大阪までの延伸を含めて、総工費は9兆円に上る。全額をJR東海が負担し、うち3兆円は国の財政投融資を活用する計画だ。巨大な国家プロジェクトである。
本体工事は15年に始まった。多くがトンネルで、難工事とされる南アルプストンネル(25キロ)のうち9キロが静岡県を通る。
その工区と交差する大井川は、過去にも渇水が起きたという。流域住民の懸念は理解できる。
金子社長は4月、「静岡県から実現しがたい課題を示されている」と述べたことで、県の反発を受けて撤回と謝罪を迫られた。
JR東海は、丁寧な説明で、住民や地元自治体の不安を取り除く努力を尽くさねばならない。
県の交渉姿勢にも問題がある。川勝知事は昨年、県内にリニアの駅がないと指摘し、「(JR東海は)代償を積まないといけない」と語った。他県での駅建設費と同等の経済的見返りを要求した。
配慮を欠く発言で、互いに不信感を増幅させてはいないか。
建設が滞れば、工事費が膨らむ。沿線の再開発に悪影響が出かねない。最速で37年とする大阪への延伸が遅れる可能性が高い。
合意への着地点を探るには、国の一層の関与が重要となろう。
国土交通省は、水資源の問題を科学的に検証する有識者会議を設け、論議を始めた。中立性に配慮し、早期に見解をまとめてほしい。わかりやすい根拠を示し、住民らに安心を届けることが大切だ。
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July 08, 2020 at 03:00AM
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リニア開業延期 科学的見地で合意目指したい - 読売新聞
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