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摩擦少ない「ヌルヌル水着」を開発 山本化学工業 - 日本経済新聞

素材メーカーの山本化学工業(大阪市)は4日、イカなどの海洋生物の体の表面に似た「ヌルヌル肌」の機能を持つ新素材を開発したと発表した。通常、水着は撥水(はっすい)性を重視するが、新素材は水着の表面に水分子で薄い膜をつくることで水の抵抗を減らす。新素材を使った水着を自社ブランドで展開するほか、素材を他のスポーツ用品メーカーに販売する。

競泳とトライアスロン用の水着として販売する

競泳とトライアスロン用の水着として販売する

新素材は「TX-SCS」(ティエックスエスシーエス)。水着の糸1本1本に液体を塗り、水中で水圧がかかると水着の表面に水の分子が付着する。薄い膜ができることで海洋生物の肌とほぼ同じ状態になるという。摩擦抵抗係数は、市販の競泳水着の90分の1以下だとしている。

他社が同様の素材を開発することも容認する意向だ。山本富造社長はナイキ製の厚底シューズや高速水着の規制を引き合いに出し、「高機能製品が規制されるのではなく、アスリートにとって良い製品をメーカーはつくる責任がある」と話す。

山本化学工業はかつて、英スピード社「レーザーレーサー」に対抗する素材を開発。08年の北京五輪や09年の世界選手権で着用されると大阪発の「たこ焼きラバー」として有名になったが、国際水泳連盟(FINA)の規定が変更になり使用不可能になっていた。

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February 04, 2020 at 04:37PM
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