Mozillaは10月20日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版「Firefox 82」を正式公開した。今回のアップデートでは、動画をより楽しむため“Picture-in-Picture(PiP)”にいくつかの改善が導入されている。
“Picture-in-Picture”は、“YouTube”をはじめとする動画サイトに埋め込まれたHTML5ビデオをWebページから切り離し、ポップアップ画面で視聴できるようにする機能。ビデオをデスクトップの隅で楽しみながらWebページをスクロールしたり、別タブで他のWebページを閲覧できるのがメリットだ。
「Firefox 82」では、ビデオを“Picture-in-Picture”で再生するためのボタンが見つけやすく、アクセスしやすいようにデザインが調整された。Windows版ではハードウェアデコードされたビデオに“DirectComposition”を利用するようになり、ビデオ再生時のCPU/GPU負荷が削減され、モバイル端末ではバッテリーの持ちもよくなっている。
そのほかにも、ページ読み込みと起動時間の両方でパフォーマンスが改善された。たとえば、“flexbox”ベースのレイアウトを採用するWebサイトでは読み込みが20%高速化。セッションの復元は17%速くなり、中断したWebサイトをすばやく再開できるようになった。Windows版では新しいウィンドウを開く速度も10%向上しているという。
また、マルチコアCPU/GPUの活用を図った新しいレンダリングアーキテクチャー「WebRender」の採用環境が拡充された。「Windows 10」であればディスプレイのサイズやGPUに関わりなく利用できる。これもパフォーマンスの向上に資するだろう。
なお、本バージョンでは脆弱性の修正も行われているので注意。件数はCVE番号ベースで7件。深刻度の内訳はMozillaの基準で上から2番目の“High”が4件、上から3番目の“Moderate”が2件、最低の“Low”が1件となっている。任意コードの実行につながりかねない問題も含まれているので、早期の対処が望ましい。
デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7/8/10に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。すでに利用している場合は自動で更新されるが、画面右上のメインメニュー(横3本線アイコン)から[ヘルプ]-[Firefox について]へアクセスし、バージョン情報ダイアログを開いて手動でアップデートしてもよい。
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