働く人に役立つプラスαな考え方に注目する「αism」。
本場イタリアで認められたジェラート。
そこには、多くの苦難が隠されていた。
専用のマシンから滑り出す、出来たてのジェラート。
素材は、定番の牛乳や果物以外に、何とパンや野菜まで。
ジェラート職人・柴野大造さん「なぜその素材と素材を組み合わせるのか、アンサーを自分の中で持っていないと、人の心の琴線に触れるようなジェラートはできない」
今、東京ドームで開催されている「ふるさと祭り東京2020」。
そのスイーツ部門の一角で客が集まる店。
店頭には、コンテストで優勝の文字が躍る。
客のお目当ては、本場イタリアが世界ジェラート大使と認めた柴野大造さんが作る斬新なジェラート。
来場者「意外とさっぱりして、口の中に結構サーッと溶けるような、甘さもしつこくなくて」
このジェラートが生み出されるのが、石川・金沢市近郊の小さな店のキッチン。
焼いたパンの香ばしさをジェラートに加え、上には果物の柿を加工してトッピング。
この日、用意された14種類のジェラートのうち、その半数近くは新作だった。
柿とバゲットのジェラートを購入した人「いろんなものを組み合わせてるのに、すごく感動する味、想像できない味」
パイン・リンゴ・セロリのジェラートを購入した人「今初めて食べた。セロリが全然邪魔してこないけど、セロリの味がする。おいしい」
石川の能登で牧場を営む家に生まれ、大学卒業後は、家を継ぐつもりだった柴野さん。
しかし、当時牧場は1億円近い借金を抱えていた。
そうした中、始めたジェラート事業だったが、品質が安定せず、赤字続き。
ついに、大切にしていた牧場も手放すことに。
そんな中で、柴野さんはある大切なことに気付く。
ジェラート職人・柴野大造さん「ジェラートとははっきり言って科学。なぜその(素材の)構成レシピになっているのか、その根拠をしっかり理解しないとおいしいジェラートはできない」
おいしいジェラートは、水分や固形分、タンパク質などの比率が決まっており、その分量を0.1の単位で計測。
こうすることで、フレーバーや舌触りまで予測できるという。
こうして独学で手に入れたおいしさの科学と斬新な素材を取り入れる感性が、柴野さんのジェラートを後押しした。
2015年には、日本国内のコンテストで優勝。
その2年後には、ジェラートの本場・イタリアの国際コンクールで優勝という栄冠を手にした。
成功までのつらい時期を支え、そして今後の大きな目標となるものが店の奥にあった。
ジェラート職人・柴野大造さん「僕の元あった牧場。うちのじいちゃんが描いた。ジェラートのことがわかればわかるほど、この風景にひかれていく。もう一回牧場を小さくてもやる。牛たち、そしてニワトリも飼いたい。(ジェラートは)自然由来のもので全部まかなえる。こういう生き方もあるよと、生き方の提案をしてみたい」
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January 17, 2020 at 03:00AM
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