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PS5(プレステ5)でも再生できる「Ultra HD Blu-ray(UHD BD)」って何? 普通のBlu-ray Discと何が違う? - ITmedia

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 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の新型家庭用ゲーム機「PlayStation 5」(PS5、プレステ5)の販売予約の受け付けが始まりました。多くの店舗やWeb通販サイトでは、先着順ではなく“抽選”で予約を受け付けており、SNSなどでは「当たった!」「ハズレた……」という報告が散見されます。

UHD BD対応するPS5 PS5の通常バージョンは「Ultra HD Blu-ray」に対応します

 ところで、PS5の通常モデルは「Ultra HD Blu-ray(UHD BD)」の再生に対応しています。その名前からBlu-ray Disc(ブルーレイディスク)の一種であることは分かりますが、普通のものとは何が違うのでしょうか。この記事で解説していきます。

UHDは「超高精細」という意味!

 日本では、横方向のピクセル(画素)が約4000あることから、3840×2160ピクセルの映像のことを「4K」と呼ぶことが一般的です。一方、海外では4Kのことを「Ultra HD(UHD)」、または縦方向のピクセル数に着目して「2160p」と呼ぶことも少なくありません。

 UHD BDの「UHD」は「超高精細(Ultra High Definition)」という意味で、4K(UHD)の映像作品を収録できることが大きな特徴です。

 まず、4K映像を効率的に収録できるように、ディスクのファイルシステム(データの格納形式)をバージョンアップしました。また、少しでも高画質な動画を収録できるように、動画のコーデック(圧縮方法)も変更しました。さらに、動画に映像の明暗差をよりハッキリと付けられる「HDR(ハイダイナミックレンジ)」の情報を付与することも可能となりました。

 そのメリットを最大限生かすために、UHD BDは4Kで収録した動画、あるいは4Kにアップコンバート(解像度変換)を行った動画を収録したものがほとんどです。また、UHD BDの多くはHDRにも対応しています。

ルパン三世 カリオストロの城 UHD BDでは、フィルム収録時代の映画のフィルムを4Kで再映像化(またはアップコンバート)した上で色調を調整して「4K HDR作品」として再発売したものも数多くあります。画像の「ルパン三世 カリオストロの城」もその一例です

UHDには「超高密度」という意味もある

 UHD BDの「UHD」は、公式には先述の通り「超高精細」という意味です。しかし、映像を収録するディスクに注目すると、もう1つの意味があることが分かります。

 UHD BDで使われるディスクは、Blu-ray Discの読み出し専用メディア「BD-ROM(Blu-ray Disc Read-Only Media)」の一種で、正式には「BD-ROM Version 2.0」と言います。

 従来のBD-ROM(Version 1.0)では、12cmのディスクに最大2層まで記録できます。1層当たりのデータ収容量は25GBで、2層ディスクなら最大50GBのデータを記録できることになります。

 それに対して、BD-ROM Version 2.0ではディスクの記録層が最大3つまでに拡大された上、記録密度を上げることで1層当たり33GBのデータを記録できるようになりました(※1)。33GB層が3つあるディスクでは、約100GBのデータ収録を実現しています。

 つまり、UHDは「Ultra High Density(超高密度)」という意味も持ち合わせているのです。

(※1)UHD BDには、BD-ROM Version 1.0と同じ「25GB×2層」フォーマットもありますが、先述の通りファイルシステムやコーデックなどが変更されているため、従来規格とは互換性がありません

再生するには対応プレーヤーが必要

 このように、UHD BDは中身のデータだけではなく、物理的な特性も従来のBlu-ray Discから変更されています。そのため、UHD BDの再生には対応するプレーヤーやレコーダーが必須です。

 UHD BDを再生できるプレーヤー/レコーダーには、UHD BDのロゴも併記されています。UHD BDを再生したい場合は、規格ロゴを目安に選びましょう。ゲーム機では、PS5の他に日本マイクロソフトの「Xbox One X」「Xbox One S(Digital Editionを除く)」「Xbox Series X」でも再生可能です。

ロゴ UHD BDの再生に対応するBlu-ray Discプレーヤー/レコーダーには、このロゴが付いています

パソコンで再生する場合は要件が厳しめ

 パソコンでUHD BDを再生する場合は、UHD BDの読み込みに対応するBlu-ray Discドライブを用意するだけではなく、本体が以下のスペックを全て満たすことが求められます。

  • OS:Windows 10 64bit版の「バージョン1709(Fall Creators Update)」以降
  • CPU「Intel SGX」に対応する第7世代以降のIntel Coreプロセッサ(※2)
  • グラフィックス:HDCP 2.2以上に対応するIntelのCPU内蔵グラフィックス(※3)
  • ディスプレイ:本体内蔵のもの、または外付け(※4)
  • 再生ソフト:UHD BDに対応するもの(CyberLink PowerDVD Ultraなど)

(※2)CPU自体が対応していても、本体のマザーボードがIntel SGXに非対応の場合は再生できません
(※3)「Intel UHD Graphics 630」「Intel Iris Graphics 640」以上
(※4)外付けディスプレイを使う場合は、ディスプレイ側もHDCP 2.2以上に対応する必要があります

 要件を満たしているかどうかを確かめるのは、ある程度パソコン慣れしている人でも大変です。再生ソフトを提供しているサイバーリンクでは、要件を満たしているかどうかをチェックするソフトウェアを無償で提供しています。パソコンでUHD BDを見たい人は、事前にチェックすることをおすすめします。

 なお、パソコン用のUHD BD対応Blu-ray Discドライブには、UHD BD用の再生ソフトが付属するものとしないものがあります。購入前にチェックすることを忘れないようにしましょう。

USB外付けタイプ UHD BDの読み出しに対応するBlu-ray Discドライブは幾つかあります。ノートパソコンで使うにはUSB接続の外付けタイプがおすすめです(写真はパイオニア「BDR-XD07J-UHD」)
内蔵タイプ 5インチベイのあるデスクトップパソコンなら、内蔵タイプのドライブもあります(写真はパイオニア「BDR-S11J-X」)
PowerDVD Ultra UHD BDをパソコンで再生する場合、再生ソフトも必要です。ドライブに付属していない場合は、別途用意しましょう(画像はサイバーリンク「PowerDVD 20 Ultra」)

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