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ACIとIATA、科学的根拠ある感染防止策で航空再開を 空港や機内の安全指針策定 - Aviation Wire

 ACI(国際空港評議会)とIATA(国際航空運送協会)は現地時間5月20日、空港や機内での安全管理の考え方をまとめた指針「航空の安全な再開に向けて(Safely Restarting Aviation – ACI and IATA Joint Approach)」を共同発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、すべてのリスクをなくす単一の対策は存在しないとして、効果測定に基づいて積み重ねたアプローチがもっとも有効だと訴えた。各国政府の渡航制限により航空需要が急減する中、科学的根拠がある感染防止策の原則を示すことで、早期の旅客便再開を各国政府に促す。

ACIとIATAが航空業界の再指導に向けて指針を策定=20年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 今回の指針では、航空機による移動過程を「空港到着前(Pre-flight)」「空港のターミナル(Airport Terminal)」「機内(Inflight)」「到着空港(Arrival Airport)」の4つに分け、安全管理の考え方をそれぞれ示した。

 最初の過程となる空港到着前は、搭乗者の接触状況の追跡が必要だと指摘。電子ビザや電子認証プラットフォームなどを通じ、搭乗者から必要な情報を収集するシステムが有効だとした。

 空港のターミナルでは、検温やソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の保持)、PPE(個人防護具)、消毒など従来から実施している措置に加え、現在開発が進む新型コロナ検査装置や抗体の有無を証明する「免疫パスポート」も、効果が認められれば導入の可能性があると記載。特に免疫パスポートは「航空旅行が本格的に再開されるのに重要な役割を果たす可能性がある」とした。各国政府に対し、空港での滞在時間を最小化するため、チェックイン時の各種規制の緩和も求めた。

 機内では、これまでの分析から乗客間の新型コロナ感染リスクは「非常に低い」と指摘。IATAは理由として、乗客は向かい合わず前を向いていること、座席がバリアーになっていること、換気システムの気流などを挙げ、機内での距離確保は想定されるべきではないと提言した。一方で、乗客と客室乗務員の間には感染リスクがあるとして、機内食の提供などに関するガイドラインの順守を勧告した。

 最後に到着地の空港では、税関申告の電子化や、入国審査時の顔認証など非接触システムの活用、手荷物受取の迅速化などを求めた。乗り継ぎ地での健康チェックを省略する「ワンストップ・セキュリティ」の取り決めの有効性も強調し、当局間の協力が必要だとした。

 IATAのアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長兼CEO(最高経営責任者)は声明で、「安全性は常に我々の最優先事項であり、公衆衛生も含まれる。空港と航空会社が推奨する対策を積み重ねた我々のアプローチは、徐々に運航を再開するための現実的な取り組みを提供しながら、公衆衛生を確保するものだ。機内での感染リスクは非常に低いことを忘れてはならず、航空が再感染の重要な発生源にならないことを我々は確信している」と述べ、科学的根拠がある形で対策が実施されることを各国政府に求めた。

 航空業界では、各国政府の渡航制限を受けた大規模な運休や減便が続き、タイ国際航空(THA/TG)が破産法に基づく会社更生手続きを申請するなど、航空会社の経営に対する影響が甚大になっている。ACIとIATAは、渡航時の安全管理基準を明確に示すことで、早期に本格的な旅客便の再開につなげたい狙いがあるとみられる。

関連リンク
Safely Restarting Aviation – ACI and IATA Joint Approach(PDF)
Airports Council International
IATA

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