三井化学ファイン、その場でつくれる除菌タオル販売 - 日本経済新聞

「FASTAID ウイルス・スウィーパータオル200」の外観（出所:三井化学）

三井化学ファイン（東京・中央）は、次亜塩素酸ナトリウムと圧縮タオルを2室分離型のパッケージに収めた「FASTAID ウイルス・スウィーパータオル200」を2020年4月中に販売開始する。パッケージを押すだけで除菌効果のあるタオルをつくることができ、必要なときに素早く使える。まず、九州地区で衛生資材が不足している介護施設や公共施設などに提供する。

新製品のパッケージには、三井・ダウ ポリケミカル（東京・港）の「ロック&ピール」樹脂を用いた。この材料は、パッケージをつくる際の熱溶着温度によってシール強度を変えられるのが特徴。具体的には、180℃以上で溶着するとシール強度が高い「完全シール」の状態を、120～160℃で溶着すれば簡単にはがせる「イージーピール」の状態を作れる。食品や化粧品の2室分離型のパッケージに採用されている。

新製品の場合は、イージーピール層で区切られた2室の一方に次亜塩素酸ナトリウムが、他方に圧縮タオルが入っている。使用したいときにパッケージを手で変形させると、境界部のイージーピール層がはがれて次亜塩素酸ナトリウムが隣の室に流れ込み、圧縮タオルに染み込む仕組みだ。具体的な動作としては、次亜塩素酸ナトリウムが入っている部分の上にある「押す」マークに親指を置いて両手でつかみ、内側に絞り込むように親指をスライドさせるとイージーピール層がはがれる。

「FASTAID ウイルス・スウィーパータオル200」の使い方（出所:三井化学）

通常は1～2週間で分解してしまう次亜塩素酸ナトリウムを安定した状態で封入した。次亜塩素酸ナトリウムは最初から希釈されているので、現場で調合せずに済む。持ち運びやすさにも配慮した形状で、病院やホテル、乗り物などのさまざまな場所で使いやすいという。ただし、菌やウイルスを100%除去できるものではない。

新製品は、三井化学ファインが三井化学やNPO法人のジャパン・プラットフォーム（東京・千代田）、NPO法人のCWS Japan（東京・新宿）などと共に進めている災害支援活動において、防災・減災・災害発生時向け製品のアイデアを競い合う「アイデアソン」から生まれた。自然災害が増える中、被災地では衛生に関する課題が深刻化しており、災害の長期化に伴って2次災害のリスクも高まっている。こうした課題を解決する手段として提案されたという。

（ライター　 松田千穂）

［日経クロステック　2020年4月14日掲載］

Let's block ads! (Why?)

"化学" - Google ニュース
April 15, 2020 at 11:20AM
https://ift.tt/2RD1ces

三井化学ファイン、その場でつくれる除菌タオル販売 - 日本経済新聞
"化学" - Google ニュース
https://ift.tt/35OIntT
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini