化学物質過敏症 浜松で２１日、公開セミナー - 中日新聞

「化学物質過敏症の現状を伝え、多くの方に知ってもらいたい」と話す藤田良美さん＝浜松市中区で

　さまざまな種類の化学物質に反応して、耳鳴りや頭痛、呼吸困難などの症状が出る化学物質過敏症（通称ＣＳ）。症状が悪化すると外出もままならず、日常生活に支障が出る。県内外の患者でつくる「浜松化学物質過敏症の会」が二十一日に浜松市内で公開セミナーを開く。

　浜松市南区の女性（６６）は二年前の夏、自宅で突然呼吸が苦しくなり、吐き気や頭痛に見舞われた。受診先の医師から「ＣＳ」を疑われ、神奈川県にある専門医で確定診断を受けた。防虫剤が原因とみられる。女性は住み慣れた自宅を離れ、ホテルや借家に移り住んだが、症状は悪化。一時は寝たきりになったという。

　ＣＳは住宅用建材や防虫剤、衣料用洗剤などに含まれる化学物質に反応し、ぜんそくや視力低下、湿疹などの症状が出る。国内には、推計七十万人の患者がいるとされるが、広くは知られていない。

　女性は「説明しても分かってもらえず、人が集まる所にも行けない。趣味を通じて知り合った友人にも会えない」とつらい日々を送る。

　三年前に会を立ち上げた代表の藤田良美さん＝中区中島＝は、原因不明の息苦しさや倦怠感（けんたいかん）に十年以上悩まされた。受診した病院では「精神的なものではないか」と言われ、精神科を紹介された。五年前に「化学物質過敏症」と診断され、患者同士の情報共有のために会を設立した。藤田さんは「香りの強い商品で苦しい思いをしている人がいることを知ってほしい」と話した。

◆化学物質過敏症〜安全な食の選び方〜

　２１日午前９時２０分から浜松市中区幸の「あいホール」。浜松化学物質過敏症の会代表の藤田良美さんらが、症状や事例の紹介を講演するほか、日常生活の注意点や改善方法などを紹介する。入場料５００円。参加希望者は要予約。（電）０５３（４４３）９１９３。メールはtamaya2@kcf.biglobe.ne.jp

（久下聡美）

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