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沖縄県恩納村にある、国内外の英知を集めた大学院大学。2019年夏に英社が発表した「質の高い論文」ランキングで世界9位に。国内では東京大学を抑えて堂々のトップだ。開学10年足らずで大きな成果を出せた背景には、企業も参考にすべき独自の研究マネジメントがある。
絶景を望む土地に建つOIST。教職員と学生を合わせた1000人以上がここで働き、学んでいる(写真=OIST(東郷憲志))
ガラス越しに見えるのは、鮮やかな緑と青い海──。そんな美しい風景を望む食堂は、木曜日の夕方4時になると、教授や学生、職員などでいっぱいになる。沖縄県恩納村にある沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開かれる「ティータイム」。立場も専門も異なる人たちが集まり、ドリンク片手に会話に花を咲かす。
研究者らの会話の場である「ティータイム」(写真=OIST(東郷憲志))
海外の大学かと思わせるほど、日本人の姿は少ない。それもそのはず。約80人の教員の6割超、約200人の学生の8割以上が外国人。公用語は英語だ。
2019年6月。そんなOISTの実力を世界に知らしめた出来事があった。科学誌「ネイチャー」を発行する英シュプリンガー・ネイチャーが初めて発表した「質の高い論文ランキング」でOISTが世界9位に入ったのだ。この指標は自然科学分野の研究機関が発表した論文を対象に、世界的に評価の高い82の学術誌で発表され、他の論文への引用度の高い論文の割合を算出したもの。OISTの順位は日本国内では東京大学(40位)や京都大学(60位)を抑えて堂々のトップだった。
12年9月に5年一貫制の博士課程を置く大学院大学として開学したOIST。開学からわずか7年足らずで世界的に高い評価を得られるようになったのは、東大や京大など日本の他の大学とは全く異なる仕組みを整えていることが背景にある。
OISTは“特別な大学”だ。「沖縄科学技術大学院大学学園法」に基づいて設立された学校法人が運営する。管轄するのは文部科学省ではなく、内閣府。運営資金のほぼ全てを国が拠出する。
国からの年間予算は、教員数が20倍以上の東大が約800億円に対し、OISTは200億円ほど。潤沢な資金を生かし、教員の年収は多ければ、年2000万円を超える。これは一般的な国立大学の2倍の水準だ。学生にも月20万円程度を支給。教員、学生ともに敷地内に建てられた海を見渡す住居を利用でき、保育園も備わる。研究者にとって、まさに至れり尽くせりの環境が整っている。
OISTの構想が生まれたのは、今から約20年前だ。当時、科学技術・沖縄・北方担当相を務めていた尾身幸次氏が沖縄振興に向けて世界トップクラスの科学技術拠点を沖縄に設けることを提案。東大総長や理化学研究所理事長、文部相を経験した元参議院議員の有馬朗人氏などの協力を得て、準備を進めた。
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March 26, 2020 at 10:01PM
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沖縄科学技術大学院大学、独創研究で「東大超え」 - 日経ビジネス電子版
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