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溝口 正士 氏 (日本曹達株式会社執行役員 農業化学品事業部長) - 農業協同組合新聞

2020.01.03 
溝口 正士 氏 (日本曹達株式会社執行役員 農業化学品事業部長)一覧へ

植物防疫通じ持続可能な農業に貢献

溝口正士 氏 皆様、健やかに令和初めての新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。謹んで新春のご挨拶をさせていただきます。

 近年、毎年のように自然災害が発生していますが、昨年も台風や豪雨が相次ぎました。被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。"異常気象"とは25~30年に一度の現象である、と定義されているようですが、「経験したことのない大雨」の表現も度々耳にし、ゲリラ豪雨や竜巻などももはや"異常"ではなくなっています。世界各地ではCSF(豚熱)や鳥インフルエンザとの闘いも続いており、自然や天候に左右される農業の厳しさを感じるとともに、本年は平穏な1年となるよう祈念しています。

 さて、おせちや鍋の冬野菜の美味しい季節になりました。歳のせいか、あるいは元来草食系だったのか、晩酌でも野菜の料理が楽しみです。海外出張や駐在を経験して、日本の野菜の素晴らしさに改めて感動しています。その種類の多さ、味や外観の品質の高さに加え、煮物、和え物、てんぷら、漬物など和風料理方法も多様で、1年を通してこれほど野菜を楽しめるのは日本ならではです。これも生産者の皆様のご努力と技術力の賜物と感謝しています。

 当社は本年2月に創立100周年を迎えます。当時の新しい電解技術による苛性ソーダ製造から始まり、技術指向型企業として独自の特色ある技術の活用により高付加価値製品の開発を進めてまいりました。農薬関連では、戦前は主に防疫薬の製造を行っていましたが、その後、戦後の食糧増産に貢献すべく新規殺ダニ剤の研究開発に着手し、その後も園芸用を中心に殺菌剤、除草剤、殺虫剤を上市してまいりました。1971年に発売したトップジンMを始め、今も皆様にご愛用いただいており、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。最近では2017年にピシウム・べと・疫病防除用殺菌剤を発売、今後さらに殺ダニ剤と殺菌剤の上市を予定しています。

 農薬は、今後も増加する世界人口の食糧需要を満たすための食用・飼料用作物の増産に不可欠であり、美味しくきれいな野菜など高品質の農産物を生産していただくためにも必要と考えております。当社は研究開発型企業として、現農薬製品をより効果的に使用する方法を開拓してご提供していくとともに、新規化合物の開発にも一層注力し、植物防疫を通じて持続可能な農業に貢献してまいります。
 本年も皆様方のご指導ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 

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