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名古屋市科学館のSL走行構想が迷走? 河村市長が距離延長案 - 中日新聞

 名古屋市教委が市科学館(中区栄2)で120〜130メートル走行させる方針を示しているB6形蒸気機関車(SL)について、河村たかし市長は6日の年頭会見で「330メートル走る別の案がある」と明かした。市教委案には「短すぎる」と納得がいかない様子。定まらない当局の方針に議会の反発も予想され、SL構想は出発前に早くも迷走気味だ。

 「走るなら長い方が楽しいがや。(両案のうち)どっちが子どもさんにより喜んでもらえるかを考えるべきですよ」。河村市長は会見でこう強調した。

 B6形SLは1904(明治37)年にドイツで製造され、愛知県内などで稼働後の68年から市科学館で屋外展示され、現在は大阪市内で解体保存中。市教委は専門業者に委託した活用調査の中間報告を基に、蒸気機関より環境負荷の少ない圧縮空気式動力で走るよう復元修理し、客車をつないで120〜130メートルの直線レールで往復走行させる案を昨年末の市議会委員会に示していた。

 これに対し河村市長が明かした案では、レールを科学館がある白川公園内の西南端まで延長。樹木が茂る一帯を通り、緩やかなカーブを描いて330メートル走らせる。

 ただ、市長案について市役所内では驚きの声が相次いだ。ある市教委幹部は「あの案があるのは知っていたが、業者から提出された中間報告には盛り込まれていなかった」と困惑。市長が業者に直接問い合わせて得たとみられるという。

 市教委案の総事業費は明らかになっていないが、SLを復元させるだけで最大3億3千万円かかり、展示施設の建設費や客車の整備費なども必要となる。

 レールを林の中に通す市長案ではさらなるコスト増が確実なほか、公園内で遊ぶ子どもがレールに立ち入らないようにする安全確保策の必要性を指摘する声も市内部で出ている。

 昨年末の委員会で市教委案の費用対効果に疑問を呈していたある自民市議は取材に「さらに規模の大きい市長案が突然出てきて驚いた。2月議会で関連予算が提案されたら徹底追及したい」と話した。

(中日新聞)

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January 06, 2020 at 08:24PM
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