人工知能(AI)やゲノム編集など、科学の発達がめざましい。新たな時代を見据えた科学技術政策を作り上げることが求められる。
政府は、2021年度から始まる第6期科学技術基本計画の方針案をまとめた。対象を自然科学に限らず、人文科学や社会科学も含めたのがポイントだ。
近年は、新技術の登場で、自然科学だけでは解決できない様々な問題が生じている。例えば、完全自動運転の車が交通事故を起こした場合、責任が自動車メーカーにあるのか、AI開発者にあるのか、判断が難しい。
ヒトの受精卵にゲノム編集を加えることが技術的に可能になったが、親が望む能力や容姿を持つ「デザイナーベビー」の誕生につながりかねない。
こうした問題に対処するには、法律や倫理面からの考察が欠かせない。基本計画の中に文系分野も取り込むのは、時代の要請に応じたものと言えよう。
基本計画では、技術革新(イノベーション)の創出も重点目標とする。従来の学術振興にとどまらず、研究成果を新たな商品やサービスに結びつけ、経済的な価値を生み出す狙いがある。
基本計画は、5年ごとに策定され、国の科学技術政策の骨格となってきた。1996年度からの第1期では、科学技術予算の目標額を初めて設定した。以後の計画が、科学分野の予算確保に一定の役割を果たしたのは確かだろう。
ただ、議論を呼んだものも少なくない。第2期では、「ノーベル賞受賞者を50年間で30人出す」という目標を掲げた。「受賞はあくまで研究の結果であり、国が研究の目標に置くのは本末転倒」との批判を各方面から浴びた。
第2期以降、情報通信やスーパーコンピューター、宇宙開発などが繰り返し取り上げられてきた。だが、社会に大きなインパクトを与えるような成果を得られたとまでは言い難い。
現在、日本の大学や研究機関などの生み出す論文の数が減り、研究の質も欧米や中国に比べて見劣りする。若手研究者は将来展望を描けず、
世界を見れば、大学では国際共同研究や異分野の融合が進む。第6期の計画では、文系・理系といった学問の枠を超え、新興企業の開発力も生かしながら、社会の諸課題の解決につながるような研究戦略を打ち立ててもらいたい。
"科学" - Google ニュース
November 25, 2019 at 03:00AM
https://ift.tt/2qKr9OK
科学技術計画 時代の変化見据えた針路示せ - 読売新聞
"科学" - Google ニュース
https://ift.tt/2K980N7
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "科学技術計画 時代の変化見据えた針路示せ - 読売新聞"
Post a Comment